萩村製茶

お茶のおはなし

お茶とは

お茶には様々な種類がありますが、ここでは主に日本茶の説明をさせていただきます。日本茶と言うのはほぼ緑茶で、この緑茶は茶葉を発酵させない製法で作られます。
緑茶にはさまざまな効能があり、健康にも良い事で知られています。カテキンなどによるガン予防のみならず、テアニンは心にリラクゼーション効果をもたらします。また日本茶には茶道にも代表される様に文化があり、種類に富み、古くから日本人の心を癒してきました。

お茶について

お茶の種類

一口にお茶と言っても製法、産地、製造の時期、品種などによって様々な種類があります。大別して、発酵させる紅茶、半発酵の烏龍茶、不発酵の緑茶に分けられます。日本ではそのほとんどが緑茶に加工されるため、緑茶の事を日本茶と言う場合もあります。
日本茶の有名な産地に静岡、鹿児島、三重があり、弊社の産地三重県で採れたお茶の事を伊勢茶と呼びます。
伊勢茶の主な種類には「かぶせ茶」「深蒸し煎茶」「煎茶」などがあります。

お茶の種類
【発酵系】紅茶、【半発酵系】烏龍茶、【不発酵系(緑茶):釜炒り製(中国茶)】玉緑茶、【不発酵系(緑茶):蒸し製(日本茶)】緑茶 【発酵系】紅茶、【半発酵系】烏龍茶、【不発酵系(緑茶):釜炒り製(中国茶)】玉緑茶、【不発酵系(緑茶):蒸し製(日本茶)】緑茶
覆い茶

茶園に一定期間覆いをして、直射日光を遮って栽培した茶葉を原料としたお茶。

玉露
抹茶

日光を避けて育てて蒸した後、葉脈を取り除いて乾燥させた「てん茶」を石臼で挽き、粉末状にしたもの。茶道で用いられる他、和菓子・洋菓子や料理の素材としても広く用いられます。

かぶせ茶
玉露

覆い茶とは、お茶を収穫する前に覆いを被せて直射日光を遮って栽培する事で、渋みを抑え、旨みを生かす茶の事です。玉露は最高級品で、20日前後の覆い期間を経たものを言います。

抹茶
かぶせ茶

かぶせ茶は玉露とほぼ同じ高級品で、覆い期間が1週間〜2週間のものを良い、玉露に近い風味が楽しめます。覆いを被せる事で茶葉のアミノ酸の量が増加し、美しい緑色とまろやかな味わいが特徴です。

露地茶

茶園に覆いをすることなく栽培した茶葉を原料としたお茶。

深蒸し茶
深蒸し茶

次に紹介する一般的なお茶「煎茶」とほぼ同じで、煎茶よりも長く蒸したものを言います。良く蒸されているので粉っぽくなり、濃厚な風味が特徴です。

煎茶
煎茶

ごく一般的な緑茶と言えばこの煎茶にあたります。日光を遮らずに摘んだもので、渋みの中に旨みがあります。歴史的には現在のように急須で飲めるだし茶ではなく、「煎じて」飲むものでした。

柳茶・番茶
柳茶・番茶

地方によって呼び方は違いますが、低級品のお茶・普段使いのお茶として広く飲まれているお茶です。夏・秋などに摘んだ大きく固めの茶葉を原料としています。

茎茶

茶芽の茎の部分を集めたお茶。

茎茶(かりがね茶)
茎茶(かりがね茶)

玉露や煎茶、抹茶などを加工する工程で除かれた茎だけを集めたお茶です。清々しい香りとさっぱりした味が特徴です。

粉茶

茶芽の先端部分が粉末となる。

芽茶・粉茶
芽茶・粉茶

煎茶などを細かく砕いたもので、ティーバッグや食べるお茶として料理などに利用されるお茶です。

その他

玄米茶
玄米茶

番茶などに玄米を混ぜたお茶の事です。玄米の焦げた香りとお茶の味が調和した軽い風味が特徴です。

ほうじ茶
ほうじ茶

番茶や煎茶を強火で炒って香ばしい香りを出したお茶です。食後などに良く飲まれます。

日本茶(かぶせ茶)の淹れ方

様々な淹れ方で楽しむ事が出来、種類によっても異なるため、ほんの一例ではありますが「かぶせ茶」の淹れ方をご紹介します。
味の濃い旨さとふっくらした香りを出すためには「さまし湯」で時間をおいてから淹れるのが「かぶせ茶」のポピュラーな飲み方です。

お茶の淹れ方

一煎目

  1. お茶の淹れ方1

    まずは、沸騰させたお茶をお湯のまま湯のみに注ぎます。湯を冷ます事が目的ですが、湯のみが温められる上に、淹れるべき湯量も分かります。

  2. お茶の淹れ方2

    茶葉は1杯につき小さじ1杯ずつ、急須に入れます。

  3. お茶の淹れ方3

    先程の湯を急須に入れます。
    高級なお茶は、湯冷ましさせて60~70度くらいにする事で、最も美味しさを引き出す事が出来ます。これを「さまし湯」と言います。

  4. お茶の淹れ方4

    急須の蓋をして100秒間(約1分半)待ちましょう。

  5. お茶の淹れ方5

    時間が経ったら湯のみに「廻しつぎ」をします。廻しつぎとは、少しずつお茶を注いだ後、今度は逆順で再び注ぐ事によって分量に濃淡のないようにする注ぎ方の事を言います。

  6. お茶の淹れ方6

    美味しいお茶を召し上がれ。

二煎目

お茶の淹れ方(二煎目)

二煎目は急須にお湯を戻した後、工程4で30秒間待ちましょう。二煎目でも十分に美味しく召し上がれます。

お茶の濃度と味

茶葉に湯を注いだ際、当然の事ながら時間が経過するほど茶の濃度が濃くなっていきます。先程紹介した様に時間をかけてさまし湯で淹れた場合、はっきりとした茶のうまみと香りを引き出す事が出来ます。
もっとすっきり飲みたい場合は熱いくらいのお湯でサッと淹れてしまえば良いし、適当な渋みを楽しみたい場合はやや熱めのお湯で一呼吸おいてから淹れれば良いです。
好みの飲み方を選べば良いのですが、客観的事実として以下の様なデータがあります。

お茶の旨味(アミノ酸・アミド・テアニンなど)は60℃でも溶け出す
お茶の渋味(タンニン・カフェインなど)は80℃から多く溶け出す

つまりお茶を淹れる際の温度が高ければ「渋み」(=苦み)が増し、温度が低ければ「旨み」(=甘み)が増します。
これに対して番茶・ほうじ茶・玄米茶などは短時間で出します。

時間が経過すれば濃度が濃くなる
温度が冷たければ旨み(甘み)が増し、熱ければ渋み(苦み)が増す

お茶の効能

緑茶には様々な効能があり、主要なビタミンなどはもちろんの事、他の食品では得にくい貴重な成分がたくさん含まれています。
特に緑茶の渋み成分でもあるカテキンは一般的な抗酸化剤よりはるかに強力な抗酸化作用を持ち、多くの病気の原因となる活性酸素を抑えてくれます。
緑茶は美味しいにも関わらず、栄養満点のノンカロリー飲料です。毎日の食後に一杯飲むだけで、様々なメリットがあります。

お茶の効能
  1. 【ガン予防】緑茶の成分の10〜18%を占める渋み成分のカテキンには抗酸化剤よりもはるかに強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑える効果があります。さらに、発生したガンを消滅させる働きも報告されており、緑茶はヘルシードリンクとしてだけではなく抗ガン剤としても注目されています。
  2. 【生活習慣病改善】人体は脂肪摂取量などが増えると、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病など様々な症状を引き起こします。コレステロールを含む食品を摂り過ぎると、肝臓で処理し切れずに血中に残ります。番茶には血糖値を下げ、糖尿病を予防する効果があると言われており、冷水で淹れる事で成分が多く抽出されます。
  3. 【虫歯予防・口臭防止】緑茶のカテキンには抗菌作用があり、虫歯予防・口臭予防効果があります。歯垢の生成を抑えるとともに、ミネラルやフッ素がエナメル質と結びついて歯を強くします。食後に飲む習慣をつける事で虫歯予防になり、歯磨きの後に緑茶でうがいする事で口臭予防に効果があります。
  4. 【美容効果】活性酸素が大量に発生すると、身体が酸化=老化していまい、肌は潤いを無くし、シワやたるみが生まれてしまいます。カテキンが活性酸素を抑えてくれる上に、緑茶成分の一つのビタミンCはメラニン色素の沈着を防いで肌の白さを保ち、ビタミンAと同じ作用のカロテンは、潤いのある肌を維持します。
  5. 【ダイエット効果】緑茶には食物繊維などのお湯に溶けない成分がある為、淹れるだけでは栄養の70%が捨てられてしまします。カテキンには血中コレステロールを抑制しますが、お茶を粉末にして淹れる、または料理に混ぜて食べる事で、食物繊維を含むダイエットに最適なノンカロリー飲料となります。
  6. 【リラクゼーション】緑茶に含まれる旨み成分テアニンは、脳に直接作用して神経の乱れを鎮め、心身の疲労回復をさせるリラックス効果があります。同じく含まれているカフェインには興奮作用がありますが、テアニンにはカフェインの興奮作用を調整する作用があります。また、お茶の香りはホッと安らぎを与えてくれます。
日本茶の成分一覧
カテキン(渋み) 発ガン抑制作用・抗主要作用・抗酸化作用・抗菌作用・抗ウイルス作用・血中コレステロール低下作用・血圧上昇抑制作用・血糖上昇抑制作用・虫歯予防・口臭予防
カフェイン(苦み) 覚醒作用・強心作用・利尿作用・鎮痛作用
ビタミンC 抗酸化作用・風邪予防・ストレス解消
カリウム 体内の塩分量の調節・血圧降下
マグネシウム 筋肉と神経の機能調節、体内のカルシウム量の調節
フッ素 虫歯予防
亜鉛 細胞の成長/増殖・生殖能力障害防止
カルシウム 歯や骨を作る・心臓や脳、ホルモンなどの働きの調整
フラボノイド 口臭予防・血管壁強化
テアニン(旨み) リラックス効果
γ-アミノ酪酸 血圧降下
ビタミンB1 疲労回復・心臓/消化器系/神経系の機能調節
ビタミンB2 皮膚粘膜保護・過酸化脂質の害の抑制
ナイアシン 皮膚病予防
葉酸 貧血予防
ビタミンE 抗酸化作用・老化防止
β-カロチン 抗酸化作用・抗ガン作用・皮膚粘膜保護/強化
クロロフィル 血中コレステロールの正常化・ガン予防
食物繊維 血糖降下・腸内の有害物質排泄効果